株式会社サンリオ
楽しい学生生活から、「好き」が仕事に
間所直子(商業デザイン専攻卒業) × 室橋綾 (空間演出デザイン学科卒業)

――これから就職活動に臨む学生にアドバイスや体験談を聞かせてください

間所 採用する側の視点で話すとしたら、ポートフォリオを持って行く際、同じような自分の個性を強調した作品が10個並ぶよりも、いろいろなものに対応できることをアピールするため、バラエティに富んだ作品を持っていく方がいいと思います。

室橋 面接ではとにかく自分のことを覚えてもらいたくて、どうすれば相手の印象に残りやすいかを考えていました。ですから、面接で大正レトロな髪型をして「大正ロマンが好きです」と言ってみたり(笑)。そうしたら、相手も「ああ、大正ロマンの子ね」と覚えてくれるので、そういう仕掛けをいくつもやりました。

室橋 サンリオでは面接だけではなく課題提出も必要ですね。

間所 そうですね。テーマは何でもいいので新商品を考えてきてくださいというものでした。

室橋 私のときは何月発売でOLや主婦に向けて目新しいとか、おもしろいという気持ちにさせる新商品を考えてくださいというものでした。好きなサンリオショップの商品を考えるわけですから、それがすごく楽しかったのを覚えています。

――日々の仕事も楽しそうですね

間所 本当に楽しいですよ。私の世代は2、3年で会社を変わって最終的に30歳くらいに落ち着くという人が多かったのですが、サンリオに入ったら楽しくていついちゃいました(笑)。

キャラクタービジネスの魅力は、あらゆる商品のデザインに携われることですね。例えば、カメラなら一から作ることはできないものの、サンリオのキャラクターを活かした可愛いカメラケースを作ったり。ほかにも、バッグなどのファッションアイテムからお茶のパッケージまで、多種多彩な商品のデザインに携わっていて、毎日何かを作っています。年間で約150アイテムくらい作っているのですが、それが楽しくって止められないんですよ。

――キャラクタービジネスの将来性や未来については、どのようにお考えですか?

間所 大人も子供も、みなさんがそれぞれのキャラクターを愛するようになって、それで一つの街ができたらいいなと考えています。一つの街が一つのキャラクターで繋がりをもち、さまざまなプロダクトを作って、お土産までできていければいいですよね。例えば、一つのキャラクターが銀座をジャックしたり。

室橋 今後、少子化がどんどん進むと、キティ=子供のキャラクターでは厳しくなっていくと思っています。私の母の世代のように子供時代からOL、母親になるまでずっとキティが身近な存在だった世代が、おばあちゃんになっていきます。そのとき、サンリオの直営店が、おばあちゃんと孫が一緒に買いものを楽しめるようなショップになっていれば、すごく楽しいだろうなと思っています。

――では、最後に学生へのメッセージをお願いします

室橋 美大に入って技術を学ぶことは大事ですが、それ以上に楽しい経験をつんだり、自分が思っていることをアウトプットするためにはどうしたらいいかということを学んだりすることが大事だと思います。そういう経験や知識を増やしていくと、どんな会社に入っても役立つと思うし、チャレンジしたり人と違うことをやってみるというムサビ魂をもっていれば、企業の中でも活かしていけると思うので、どんどん楽しいことをしていろいろな経験をしてほしいです。

間所 私も大学時代にできるだけいろいろな経験をしてほしいなと思います。学内の勉強でも、ムサビにいれば多彩なことが学べる環境があります。写真でもグラフィックでも、絵画でも幅広く勉強したり経験すれば、自分に一番合っているものは何かを見つけられますし、また、美術大学とはそういうことが見つけられる場所だと思います。

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