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学長あいさつ
真に人間的自由に達するような美術教育を求めて

学長

長尾重武教授
(前学長、1999.4〜2007.3)

まもなく80周年を迎える武蔵野美術大学は、「真に人間的自由に達するような美術教育」を建学の精神とする帝国美術学校の創立以来、多くの美術教員を送り出してきました。
これからの時代の美術教員には、深い人間への洞察と自由な発想が求められます。このための基盤は武蔵野美術大学全体のカリキュラムの中で育まれるとともに、大学の外でのさまざまな体験を通じて培われるでしょう。介護等体験法にもとづく7日間の体験と教職課程の演習科目とを結合した「美術と福祉プログラム」は、教員を目指す学生たちに、法令が求めるよりも進化した機会を提供できるものとなっています。本学が培ってきた造形ワークショップを社会福祉の現場で生かす試みが、これからの美術教育のあり方に指針を与えることを願っています。
今回、文部科学省よりこのプログラムが本年度の「特色ある大学教育支援プログラム」に選定されたことは、私たち教職員・学生にとっての喜びであるとともに、永く協力してくださった高齢者、障害者、施設職員の皆様のご援助のお陰であると感謝しています。私たちの取組が、多くの教育や福祉に携わる方々のご参考になることがあればと考え、ホームページを開設いたします。

特色GPとは
「特色ある大学教育支援プログラムの略称」。GPはGood Practiceの省略。文部科学省が、大学教育の改善・充実の観点から特色ある優れた取組を選定し、選定された取組を広く社会に情報提供することや財政支援を行うものです。

>> 文部科学省の関連ホームページ

武蔵野美術大学の沿革
武蔵野美術大学は、造形学部11学科と通信教育課程4学科、大学院博士前期課程(修士課程)、博士後期課程、合計約7700名の学生を擁するわが国最大規模の美術大学です。1929(昭和4)年に創立された帝国美術学校以来、5万人を超える卒業生を送り出してきました。
教員養成の分野では、帝国美術学校では師範科を開設して中等教員の養成を行い、戦後の武蔵野美術学校、武蔵野美術短期大学(武蔵野美術大学短期大学部)、武蔵野美術大学ともに教職課程を開設して多くの小中高等学校の教員を輩出してきました。また、旧短期大学部及び現在の造形学部通信教育課程では現職教員のために免許状の上進や他教科免許状の授与のための教職生制度を開設して、教員研修のための重要な役割を果たしています。さらに、美術教育の新しい流れである美術に関するワークショップについても、視覚伝達デザイン学科及び教職課程で1980年代から取り組まれ、そのパイオニア的実績が評価されています。