平成18年度 取組の目的および事業実施計画

平成18年度は、プロジェクト科目のコアグループにより岩室視察、街づくり視察(小布施等)を実施し、グランドデザインのコンセプトを形成します。また、「アートサイト岩室温泉 2007」(本学卒業生の卒業制作を岩室温泉に展示。コンサートやワークショップ等を同時開催)の企画開催、マーク・ロゴタイプ及び観光複合施設、公園など一部の領域別デザインをそれぞれ課外教育活動、専門科目で行います。これらの実践的教育プログラムにより、グランドデザインの構想力の涵養と個別デザインの応用力の進展を図ることが、この取組の平成18年度の目的です。

平成18年度の事業実施計画の概要・目的等は次のとおりです。
1. 10月

グランドデザインコンセプト形成のための岩室視察、現地調査及び「いわむろみらい研究会」との第1回合同会議の開催(岩室)

<目的>
岩室視察、現地調査を行うことにより、学生は地域の自然と産業、暮らしをめぐる幅広い知見を得るとともに、観光地としての現状及び課題を把握することが可能となり、「いわむろのみらい創生」をテーマとした地域のグランドデザインのコンセプト形成という実践的な課題を推進するための基盤を確かなものとすることができます。
また、この取組の外部実施団体である「いわむろみらい研究会」とプロジェクト科目コアグループとの合同会議を開催することにより、グランドデザインのコンセプト形成に向け、学生たちは岩室温泉の歴史、風土などを直接見聞きし、肌で感じ、現地の方々が描いている地域づくりの構想を具体的なイメージとして捉えることが可能になります。

2. 10月

「アートサイト岩室温泉 2007」の企画開催に向けた第1回目の視察、調査

<目的>
「アートサイト岩室温泉 2007」スタッフが岩室温泉の街なみを視察することにより、学生スタッフは空間と卒業制作展示作品の関係について、具体的なイメージづくりが可能となります。
また、広報活動の展開に向け、現地において広報媒体の調整を進めることにより、学生は実践的かつ効果的な広報手段・方法等について学ぶことができます。

3. 10月

マーク・ロゴタイプ及び観光複合施設、公園など一部の領域別デザイン実施に向けた岩室視察、調査

<目的>
マーク・ロゴタイプ及び観光複合施設、公園など、一部の領域別デザインの実施にあたる学生及び指導スタッフが岩室温泉を視察・調査することにより、学生は実践的な取組として進める上での基礎データを収集することが可能となります。

4. 10月

外部講師によるプロジェクト科目第1回講義実施

<目的>
地域振興に関する学識経験者を招き、他地域の取組の事例紹介、実現に至る経緯、成功のポイントなどをレクチャーすることにより、本取組における学生の動機付けを図ることを目的とします。

5. 10月

グランドデザインコンセプト形成のためのまちづくり視察、現地調査(湯布院)及びプロジェクト科目第2回講義実施

<目的>
プロジェクトチーム・スタッフがすでに地域振興に成功している地域(湯布院)を視察調査し、現地の映像を記録、湯布院振興推進者から取材するなど、プロジェクト科目の教材を作成します。作成された教材等をもとに11月にプロジェクト科目第2回講義を実施します。

6. 11月

グランドデザインコンセプト形成のためのまちづくり視察、現地調査(小布施)

<目的>
すでに地域振興に成功している地域(小布施)を視察し、リサーチを行うことにより、他地域の成功の要因を見聞し、岩室温泉の現状と比較・検討することによって、学生はグランドデザインのコンセプト形成の方向性をより明確にすることができます。

7. 11月

「アートサイト岩室温泉 2007」プロモーションチームによる、いわむろみらい研究会へのデザイン案提示

<目的>
「アートサイト岩室温泉 2007」プロモーションチームがデザイン案をいわむろみらい研究会に提示することにより、学生はより効果的で現実性のある広報活動を展開することが可能になります。

8. 12月

いわむろみらい研究会との第2回合同会議開催(大学)

<目的>
マーク・ロゴタイプ及び観光複合施設、公園など一部の領域別デザインについて、実践的な課題として取り組んできた学生の成果をいわむろみらい研究会にプレゼンテーションします。「いわむろのみらい」創生に切実な思いを持つ岩室温泉旅館組合等の方々から率直な意見、批評を受けることは、学生の次の学習への取組に大きな効果を上げることになります。

9. 平成19年1月

シンポジウム開催(大学)

<目的>
地域振興に関する研究者、地域振興に成功している他地域(湯布院や小布施等)の推進者、岩室地域の行政担当者、岩室温泉の代表者等によるシンポジウムを開催することにより、学生は他の専門領域からのアプローチの知見を得、行政上の問題をはじめとした諸々の制約について知るなど見聞を広めることができ、「いわむろのみらい」創生のグランドデザインを形成するに当たり、より現実性を深めることが可能になります。

10. 2月

「アートサイト岩室温泉 2007」の実施に向けた第2回目の調査

<目的>
10月の調査を踏まえ、また本学卒業制作展の実際の作品を見た上で、第2回目の岩室温泉視察を行うことにより、学生は展示作品と展示場所による空間づくりの最終調整、決定が可能となります。

11. 3月

「アートサイト岩室温泉 2007」開催

<目的>
「アートサイト岩室温泉 2003」及び「アートサイト岩室温泉 2005」に引き続き、岩室温泉での卒業制作の展示、ワークショップなどのイベントを実施します。
「アートサイト岩室温泉 2007」の学生スタッフは会期前から終了までのおよそ2週間、岩室温泉に滞在し、準備・運営・片付けに当たることにより、イベント運営の実践を学ぶことになります。また、作品出品者が搬入・展示及び搬出・撤去の2回岩室温泉に出向き、その作業に当たることにより、学生はより安全かつ効果的な展示と空間作りを学習します。
また、学生は、アートやデザインを通して、社会活動に参加した充実感を得るとともに、地域住民との様々な交流を行うことにより、人間として成長することが期待されます。

12. 3月

「アートサイト岩室温泉 2007」開催期間中、本学教員によるシンポジウム及び外部評価委員会の開催

<目的>
外部実施団体である「いわむろみらい研究会」と外部評価委員会に取組の今年度の成果について発表し、様々な意見を聴取する機会を設定することは、平成19年度及び平成20年度におけるこの教育プログラムの推進に当たり、その改善に向けた貴重な提言を生かす体制を確立することになります。
この結果については、ホームページで詳細な情報を提供するとともに、次年度に報告書として取りまとめて公開します。