平成19年度 取組の目的および事業実施計画

平成19年度は、18年度に構築されたコアコンセプトに沿って、新たな領域別デザイン分野でのプロジェクトが具体的に展開されます。前期にはストリートファニチャー計画、工芸品及び食品の商品企画、観光デザイン計画、キャラクター開発、サイン計画、ワークショップなどが計画されており、後期には道(街路・散策路)の計画や照明計画、サウンドスケープ、展示会計画などが予定されています。これらの実践的教育プログラムを、専門科目または課外活動として履修する全学生は、担当の専門分野に加え、今期新設されたプロジェクト科目を履修し、学科を越えて情報交換を行うことで、より広い視野で考察する力を養うことが可能となります。

平成19年度の事業実施計画の概要・目的等は次のとおりです。
1. 4月

プロジェクト科目におけるオリエンテーションの実施

<目的>
領域別デザインを履修した学生は、プロジェクト科目に参加することで、プロジェクト全体の構成要素を確認しながら議論を進め、昨年度コアグループによって構築されたコアコンセプトに基づいて、それぞれの専門分野においてのデザインを展開していくことが可能となります。第1回目となるオリエンテーションでは、新潟市西蒲区 産業観光課 商工観光係 係長の久保田春一様から岩室についてのお話を聴講することで、現地の方々が描いている「いわむろのみらい」の構想を具体的にイメージすることができます。

2. 5月

前期に領域別デザインを課題とする学生の岩室視察・調査と、
いわむろみらい研究会との第3回合同会議

「いわむろのみらい」のグランドデザイン・コアコンセプトの構成要素に基づき、岩室温泉旅館組合や地域住民の方々から、より密着したリサーチによる情報収集を行い、コミュニケーションを深めることにより、コアコンセプトを領域別デザインにおける「いわむろのみらい」イメージ形成に発展させることが可能となります。
また、この取組の外部実施団体である「いわむろみらい研究会」との合同会議を開催することにより、学生たちは岩室温泉の歴史、風土などを直接見聞きし、肌で感じることで、地域の特性に根ざした領域別デザインを実践することが可能となります。

3. 5月〜6月

プロジェクト科目における
領域別デザインの中間プレゼンテーション実施

<目的>
5月の視察・調査をもとにつくりあげた領域別デザインについて、学内中間プレゼンテーションを実施し、プロジェクト全体のコーディネートを進めていきます。他学科のプレゼンテーションを聴講・意見交換することで、「いわむろのみらい」創生というひとつのテーマをいろいろな角度から考察し、それぞれの専門分野を幅広い視野で捉える力を養うことが可能となります。

4. 6月

前期2回目の岩室視察・調査と、
いわむろみらい研究会への中間プレゼンテーション実施

<目的>
「いわむろみらい研究会」の方々に向けて、これまで進めてきたプロジェクトの中間プレゼンテーションを行います。「いわむろのみらい」創生に切実な思いをもつ岩室温泉旅館組合や地域住民の方々から率直な意見、批評を受けることは学生にとって次の学習への取組に大きな成果を上げることになります。また、春の第1回視察とは違った夏の岩室訪問では、岩室名物冬妻ほたるの観察ができ、岩室の自然に触れることにより、その地域の特性をデザイン展開へ応用することも可能となります。

5. 7月

いわむろみらい研究会との第4回合同会議開催(大学)

<目的>
前期の学習成果を「いわむろみらい研究会」の方々に対して最終プレゼンテーションします。デザイン提案という創造的かつ独自性の高い内容について理解を共有するためのより効果的な方法を実践的な場で学ぶことができます。
コアコンセプトが各領域別デザインに浸透し、トータルコーディネートの成果が具体的な形となることで、現地の方々も「いわむろのみらい」をより明確にイメージすることができます。

6. 8月

グッドデザインプレゼンテーション2007(東京ビッグサイト)での
展示会参加

<目的>
産官学共同プロジェクトの一環として、ビックサイトで開催されるグッドデザインプレゼンテーション2007での展示を行います。地域のグランドデザイン形成の実践的教育プログラムを多学科にわたって行っている成果を他の地域・大学に広くアピールするとともに、様々な分野の方々と意見交換をすることで今後の展開に生かすことが可能となります。

7. 9月

後期に領域別デザインを課題とする学生の岩室視察・調査と、
いわむろみらい研究会との第5回合同会議

<目的>
前期に引き続き、後期のプロジェクトがスタートします。新たな領域別デザインの分野が加わり、現地の方々との交流もさらに深まります。コアグループによるトータルマネジメントにより、これまでの実績と成果を踏まえてコーディネートされたプロジェクトが展開されます。

8. 10月〜11月

プロジェクト科目における領域別デザインのプレゼンテーション実施

<目的>
前期に引き続き、学内において各領域別デザインの中間プレゼンテーションを行います。プロジェクトが進行するにつれて、中心軸となっているコアコンセプトに基づいたトータルコーディネートもより重要となってきます。コアグループは各チームの調整を行うことで、グランドデザイン形成におけるマネジメント力を養うことができます。

9. 11月

後期2回目の岩室視察・調査と、
いわむろみらい研究会への中間プレゼンテーション実施

<目的>
前期に引き続き、後期も2回の視察・調査と中間プレゼンテーションを行います。岩室の方々の率直な意見を伺い、最終プレゼンテーションに向けてさらに考察を深めていきます。
また、プロジェクト科目の枠を越えて様々な機会で現地の方々との交流を深めることで、より地域に根ざした実践的教育プログラムの展開が可能となります。

10. 12月

いわむろみらい研究会との第6回合同会議開催(大学)

<目的>
後期の学習成果を「いわむろのみらい研究会」の方々に最終プレゼンテーションします。コアコンセプトに基づいた領域別デザインの全体像が、専門分野の枠を越えて一同に表現されることで、地域のグランドデザインにおける新たな可能性が見出されます。

11. 平成20年3月

「いわむろのみらい」創生プロジェクト展開催

<目的>
昨年度及び平成19年度の本補助事業にかかる教育成果をパネルや模型等で展示することにより、本教育プログラムの全体を俯瞰することが可能となり、社会へ有効な情報を発信することができます。また、展示を領域別デザインの一環として教育プログラムに組み込むことにより、学生は展示計画の実践を学ぶことができます。

12. 3月

「いわむろのみらい」創生プロジェクト展開催期間中における
第2回外部評価委員会の実施

<目的>
外部の実施団体である「いわむろみらい研究会」と「外部評価委員会」に本補助事業の成果について発表し、様々な意見を聴取する機会を設定することで、本教育プログラムを推進するにあたり、その改善に向けた貴重な提言を生かす体制を確立します。
この結果については、ホームページで詳細な情報を提供するとともに、次年度に報告書として取りまとめて公開する予定です。