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廊下での準備からスタート
介護等体験法が1998年4月から施行されたとき、本学では短期大学部(翌年に改組転換のために募集停止)の1年生が最初の対象となりました。
しかしながら、第1期は教育課程上の位置づけがないために、時間割にも印されず、割り当て教室もありませんでした。時間帯は正規授業の前後となり、午前8時や午後6時から、担当教員であった高橋陽一研究室で学生たちの指導が行われ、造形ワークショップの準備は廊下が使われるという状態でのスタートでした。
大学の改善 正規の演習科目に
こうした状況にたいし大学として改善を行いました。1999年度には金曜日5時限目の時間割上に明記して教室を確保し、さらに2000年度には単位を授与しない演習科目、2001年度には単位を授与する正規の演習科目として位置づけられました。
教職資料閲覧室
教職資料閲覧室を設置
ワークショップの準備を「表現と記録」を重視した学生の主体的な学習活動とするため、1999年4月には教職資料閲覧室が新たに開設されました。教職資料閲覧室は、教職関係の図書や過去の介護等体験の記録類を備えた「閲覧室」、演習や準備を行う「演習室」、造形ワークショップの教材と記録を保管する「資料室」の3室から構成されています。この資料閲覧室の機能によって、学生が社会福祉についての理論的な学習を行ったり、グループごとに自主的にワークショップの準備作業を行うことが可能となりました。
通信教育課程へ広がる
通学課程でスタートした美術と福祉プログラムは、小平市内の施設との日常的な提携があって初めて実現しました。このため、全国各地に社会人学生がいる通信教育課程では、介護等体験は多くの大学と同じく社会福祉協議会や教育委員会を通じた手続により実施する方式しかできません。
しかし、多くの教職課程履修者が造形ワークショップのあり方を理解して実践的な力量を養成するために、美術と福祉プログラムでの蓄積を生かした教科書『ワークショップ実践研究』を刊行して、2002年度から「ワークショップ研究I」、翌年度から「ワークショップ研究II」を開設しました。
これらの科目は文部科学省により教職課程の「教科又は教職に関する科目」として認められ、また教職課程履修者以外の学生にも選択履修されています。