2007年10日31〜11月2日 H19年度後期 第2回岩室訪問

どうか晴れますように!

芸祭が無事終了し、静かになった早朝のムサビに、岩室へ向かう学生が集まりました。今回の岩室訪問では屋外イベント『逢灯歩(ほほほ)ナイト』が企画されていますが、天気予報の降水確率は70%…絶対に雨は降らないでほしいと願いつつ、大型バス2台で学生51名、教職員14名の総勢75名は岩室に向かいました。

レポート

到着早々、中間プレゼンテーション開催!

今回もお世話になったのは「ほてる大橋」さん。いつも我々の要望に快く対応してくださり、今回は中間プレゼンテーション、座談会の会場も提供してくださいました。

さて、到着早々、いわむろみらい研究会や住民の方々にむけて、中間プレゼンテーションが行われました。発表時間は各グループ10分。短い時間でどれだけ伝えられるのか、学生たちも気合いが入ります。

コアグループ
「よりなれや」へよりなれや!

コアグループは観光複合施設の運営計画について発表しました。施設を仮に「よりなれや」と名付けロゴをデザインし、また、施設でのイベントが2週間ごとに展開できるよう24節気のテーマカラーを決め、その季節の産物を組み合わせた運営計画カレンダーと垂れ幕のデザインを提案しました。また、今後の運営計画では『まちづくり研究会』として、コアコンセプトを考案する際に分けた「風情」「風土」「風聞」「風景」「風体」の5つのパートごとに『いわむろみらい研究会』にも『分科会』が作れないか考案していきます。

道の計画チーム
「温泉街のメインストリートでは非日常空間を感じたい」

道の計画チームは岩室のメインストリート、山側の散策路、矢川について提案を行う予定で活動を進め、今回のプレゼンテーションでは、それぞれの現状調査報告をしました。メインストリートについては、温泉街に来る観光客は非日常の空間を求めてくると考え、現状を3段階にわけて評価しました。そのうち、温泉街としてふさわしくない箇所についてはガイドラインを設けたり、ほかにも足湯や観光複合施設の分店を設置した『街角広場』を提案し、メインストリートに人を集められるように構想していく予定です。

光の環境デザイン計画チーム
岩室をあたたかい光で演出する「岩室あかり宣言」

光の環境デザイン計画チームは、今までの調査から岩室の現状を分析し、暖かいあかりのもてなし、美しい闇、眩しくないあかり、光のアート、美味しいあかりの5つを「岩室あかり宣言」として発表しました。それらをふまえて、「岩室行灯」「霊雁の湯」「下の堤」「岩室提灯」による明かりの計画をそれぞれスケッチや模型で提案し、実際に現地で模型を使った照明実験を行いました。あいにくの雨で高島屋と霊雁の湯での実験は中止となりましたが、光を灯した様子をスライド上映し、ほてる大橋の中庭に急きょ行灯を設置、その後も光チームの勢いはとまらず、雨の中提灯を灯して元気に岩室を練り歩きました。

レポート

地場産品デザイン計画チーム
岩室の美しさを際立たせる『華』をテーマに
商品企画!

地場産品デザイン計画チームは、テキスタイル、木工、陶磁を専攻している学生によるチーム。『華』をテーマに、それぞれの専門分野を活かした商品を企画しました。テキスタイルでは、岩室の様々なモチーフを染めパッチワークにした浴衣、木工では浴衣を着て座った様子が美しい椅子、温泉客と住民との触れ合いを「合鍵」に例えてデザインしたお風呂椅子、浴衣でのテキスタイルを使用した脱衣かご、陶磁では岩室の杉と土を使った花器、温泉に浮かぶ酒器を提案しました。ものづくりを得意とする彼らによって、最終プレゼンテーションに向けてどんな作品が出来上がるのか楽しみです。

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サイン計画チーム
「岩室の方々の意見を聞いてデザインしたい!」とさまざまな調査を展開中

サイン計画チームはまず昨年度から続いているマーク・ロゴタイプのデザインについて報告をしました。前回行ったアンケート調査から、マークは「雁」をモチーフにしたもの2点と「i」をモチーフにした合計3点にしぼられ、ロゴタイプは「100年後でも」をテーマに考えたものに決定しました。今後はいわむろみらい研究会のお返事を待って、いよいよ岩室のマーク・ロゴタイプが最終決定します。
サイン計画については、大学で行ったアイマークカメラ調査やサインの設置場所・ピクトグラムについての中間報告と、岩室訪問中に行うアンケート調査会について説明をしました。それらの調査で集めたデータを元に、最終プレゼンに向けてデザインをおこしていく予定です。

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ワークショップ計画チーム
『逢灯歩(ほほほ)ナイト』
〜人でつなごう岩室の灯〜

ワークショップ計画チームは、前期の『みんなでつくろう岩室甚句』でできたお年寄りとのつながりと、突撃インタビューやお宅訪問、岩室中学校訪問で得た情報を元に、今の岩室の問題点は世代間をこえたコミュニケーション不足だと分析しました。そこから今回のワークショップをお年寄りと若者をつなぐ場とし、岩室の伝統でもあるお祭りのための「御神燈」を作成することにしました。中学生とお年寄りはゲームなどで打ち解けたあと「お祭り」というテーマで話をし、それぞれの話からモチーフが決まると皆で夢中になって制作していました。出来上がった「御神燈」は個性的で面白く、あたたかいコミュニケーションによってより明るい光が灯ったように感じました。

サウンドスケープ計画チーム
岩室の音を作りたいという思いから『よりなれ下駄』の企画へ

サウンドスケープ計画チームは、前回の岩室訪問で様々な場所の音を録音して現状調査を行いました。その分析の結果、岩室には心地よい音がたくさんあるけれど、自動車の通りが激しく、それを楽しむ環境がないことがわかりました。そこで、岩室の方々にもっと音への意識を持ってもらうため、岩室の良い音を表記したサウンドマップ作成と『よりなれ下駄』の企画を提案しました。この企画は、各旅館に岩室ならではの下駄を設置し、それらを履いて温泉街を歩いてもらった温泉客には、お店やお風呂で割引などの特典をつけることです。この企画によって、岩室に温泉街らしい下駄の音をよみがえらせ、それが人の流れを生んで、さらに岩室の文化を生むというねらいです。今回の訪問では『逢灯歩ナイト』で下駄を配布し、実験的にメインストリートに下駄の音をつくりだしました。

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メディアデザインチーム
「いわむろのみらい」新聞を未来につなげたい!

メディアデザインチームは今回の訪問にあわせて「いわむろのみらい」新聞9号を発行しました。中間プレゼンテーションではその内容の報告を行い、今後は美容院や病院など、もっと広い範囲で見てもらえるよう、また長く岩室に定着したメディアとなるよう計画していくことを発表しました。そのために、毎号コアコンセプトから抽出したテーマを設定して、プロジェクトの紹介だけでなく、岩室のお店を紹介したり、岩室の方のインタビュー記事なども積極的に掲載したいと考えています。今回の訪問では、女将さんやかっぽうぎ隊、岩室中学校の先生にインタビューも行いました。

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訪問2日目
小林履物店にて下駄工房を見学

サウンドスケープ計画チームは、『よりなれ下駄』の企画をより深めるために、桐下駄を扱っている巻町の小林履物店を訪問しました。丸太から製材を行っている県内でも数少ない老舗の下駄屋さんで、「にいがた総踊り」のお話を中心に、木の性質や下駄の形のことなど様々に興味深いお話を披露していただきました。

あぁ、雨…。光と音のイベント中止!

結局朝から続いた雨はあがらず、光と音の実験『逢灯歩ナイト』は中止となりました。せっかく3チームが合同で企画・準備し、岩室の方々にも楽しみにしていただいていたのですが…。またいつかリベンジできればと思います。

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座談会開催!芸妓さん4名に公開インタビュー

ほてる大橋さんでの美味しい夕食のあと、芸妓さん4名をお招きして公開インタビューが開かれました。インタビュアーはメディアチームの濱君と伊藤さん。岩室温泉の特徴である芸妓さんの世界について様々な質問をしました。どんな質問にも快く応えてくださった芸妓のみなさんに、おもてなしの心意気を教わった思いでした。

その後は岩室の方々と学生との座談会が開かれました。学生は自分たちが行ったプレゼンテーションの感想を聞いたり、疑問点についてさらに質問をしたりと、岩室の方々とのよい意見交換の場となりました。

こうして盛りだくさんの岩室訪問は終了しました。いよいよ次は最終プレゼンテーションです。今回の内容をさらに進化させて、充実した提案ができるよう、学生たちの最後の踏ん張りにご期待ください!

※今回の岩室訪問の様子が越後ジャーナルに掲載されました。あわせてご覧ください。
越後ジャーナルはこちら(PDF 8.4MB)

平成19年度活動報告

平成19年度前期プロジェクトブック(PDF 1.7MB)
平成19年度後期プロジェクトブック(PDF 4.7MB)

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