第9回目は3回目となる望月昭氏による講義です。前回に引き続き「人間と竹」についてです。竹を利用した様々な造形物を動詞で分類し、それぞれについて豊富な写真を元に竹の造形物を紹介しました。
■ 編む
本学民俗史料館所蔵の豊富な竹細工を例に挙げ、編んでつくられた竹細工の数々。
■ 奏でる
ジョン・海山・ネプチューン氏、鶴勝栄氏による竹の楽器、松本秋則氏によるバンブー・サウンドスケープの例。
■ 食べる
筍、メンマ、支那竹の説明、グラフィックデザイナー・作家である遠藤ケイ氏の実践するアウトドア生活、筍の調理法。
■ 飲む
薬用効果のある竹を素材とした飲み物への利用例。
■ 包む
防腐効果を利用した、竹の利用法。
■ 採る
トラップに竹を用いる例。日本、東南アジアなど。
■ 祈る
滋賀県近江八幡の祭礼。全て竹とワラでつくられ、膨大なバリエーションがある。
■ 計る
狂わない特性を利用した竹の物差し。
■ 扇ぐ
団扇・扇子。
■ 書く
竹紙・竹筆。
■ 着る
株式会社ナファ生活研究所による竹の布。
■ 浮かぶ
ベトナムの竹舟。
■ 刷る
日本独特のバレン(馬連)。
■ 照らす
エジソンと日本の竹の出会い、照明として利用されたネマガリダケ、京都八坂神社における大晦日のオケラ火、提灯。
■ 建てる
日本における竹材利用の建築の数々。鴨長明の「方丈記」、家屋材料の半分に竹が使われる桂離宮、草葺き屋根、茶室など。インドネシアの竹建築。コロンビアの竹建築。
生活に関わるあらゆる分野において、竹が使われてきた事実を知ることができる講義となりました。最後に相澤教授(民俗学)より本講義において中心となった「分類」に関して、時代分類ではなく機能分類を行う意味・意義の説明がありました。