既成の概念を捨て、従来の造形を打ち破り、新しい空間の構築を目的に取り組んだ。A班とB班の2チームに分かれて竹を用いた緊急避難用住居の提案を行った。その際、両チームとも、従来の垂直水平構造ではなく、正四面体(テトラヘドロン)構造(以下、テトラ構造)を基本とした。
A班は津波などの天災にあった際に、その場にあるもので簡易的に組み立てられる住居を提案。丸竹をロープのみで接合する方法を考案し、皮膜は2重構造で麻などの通気性素材と防水としてのビニールシートを使用した。シートの取り付けは、竹でできたテトラ構造を転がすだけで簡単に、数人で行えるよう工夫した。
B班は金属ジョイントを利用し、テトラ構造を連結させる中長期的住居群を提案した。一見、長屋のようにも感じるテトラ構造の連結は、内部空間を広く取ることに成功した。こちらも数人で、高さ2mを超える住居の組立が可能となっている。
両チームとも、津波や地震の被害による避難生活という、非日常な状態を少しでも快適に過ごせるような空間の提案に力を注ぎ、それは実寸大モデルの公開展示やバーティカルプレゼンテーションの場で発表することができた。