2008.11.22(sat)
公開シンポジウム「竹の造形・その未来」3

宮下教授:
建築学科では前期と後期と二つの授業を行っています。前期は様々な学科を対象に竹を用いた空間を、1/5〜1/10の模型で表現するトレーニングを行いました。後期は建築学科のみを対象としまして10名で授業を行っています。緊急避難用住居の提案というテーマのもと、5名ずつの2チームに別れてそれぞれ別のコンセプトで進めているところです。竹の住居への利用ということで調べていきますと、実に様々な空間がつくられています。日本では、例えば桂離宮のように多くの竹が使用されている例もありますが、ほとんどが建築材として日常的には使用してこなかったようです。ですから竹を用いた住居を考えた時に、通常の住居の形態では考えにくく思えましたので、竹を用いて新しい住居のかたち、新しい空間を提示できないかと模索しました。
そこで学生達には正四面体、もしくはその連続をテーマとしてみないかと提案しました。また建築学科の授業において、企画から設計、施行まで行えることは稀ですので、この授業においてはそこまで実際にやることを一つの目標としました。これから行うプレゼンテーションは、経過報告ではありますが、我々の取り組みを紹介いたします。
まずはA班です。特徴としては、施行が容易である点です。竹のある場所で、竹を切り、節を抜いて組み立て、最後にテントをかけるという単純な作業でつくることができます。3、4人で3時間もあれば完成します。ジョイントには、竹をロープで繋ぐという画期的なアイデアを考案しました。この写真は布団はさみを用いてテントを設置しているところです。このチームは基本的に、どこにでもありそうなものを用いて組み立てるということも重要なテーマとしています。設定としては緊急時に使用する短期間の滞在用住居です。

 

続いてB班の説明をします。B班では板東先生の開発した金具ジョイントを使用しています。頑強にはなりますが組み立てに時間がかかります。長期的な滞在を想定し、テトラのつながりで自由に空間の大きさを決めることができます。こちらも4、5人で組立が可能です。
彼らは実際に使用できる住居を考えています。そこには竹を切るという作業から、部材の調達、組立までが必要ですので、学生達は実寸サイズをつくりながら試行錯誤を続けている状況です。建築学科の取り組み説明は以上です。

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